10月1日の日本ハム戦では危なげない投球で8回4安打無失点。野上は'13年の自己最多に並ぶ11勝目を挙げた。 「岸さん、いなくなって寂しいですよ」 今シーズン序盤、フリーエージェントで移籍した岸孝之(東北楽天)の話題になると、野上亮磨はぽつりとこう言った。入団から10年、2桁勝利を7シーズン記録しているエースの移籍は、その成績だけを見ても大きな損失だ。しかも人望が厚く、投手陣のリーダー的存在だった岸を失ったことは、ライオンズ投手陣にとって精神的にも痛手だった。 「岸の抜けた穴」「岸ロス」という表現はシーズン開幕前から頻繁にメディアで語られ、野上ら先発投手陣にも質問がぶつけられた。ここ数年、思うような結果を残せていなかった岸以外の先発投手陣にとっては、自分たちに注がれる厳しい視線や、期待の大きさが、おそらく重いプレッシャーとなってのし掛かったのではないだろうか。 しかし、ライオンズ先発陣は“