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ブックマーク / kyoba.hatenablog.com (6)

  • 魑魅の匣 「イミテーション・ゲーム」 - 虚馬ダイアリー

    原題:The Imitation Game 監督:モルテン・ティルドゥム 原作:アンドリュー・ホッジス 脚:グレアム・ムーア 「謎」は人間の進化とともにある。知性と悪意と向上心。どれかひとつだけでは生まれない。どれが欠けても生まれない。 (松井優征「魔人探偵脳噛ネウロ」より) 1951年。ケンブリッジ大学の研究者・アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)宅に泥棒が侵入。近所の人が目撃して通報するも、被害者のチューリングは「盗られたものはない。」といい、警察を無礼な態度で追い返した。その行動を不審に思ったロバート・ノック刑事は彼の過去を洗い始める。だが、彼の海軍での軍歴は抹消されていた。過去を追ううちに、ノック刑事はチューリング自身の抱えるパーソナルな問題を知るのだが、その件で拘束された彼から取調室で思わぬ告白を聞くことになる。 1939年。ナチスドイツがヨーロッパ各地を侵攻し

    魑魅の匣 「イミテーション・ゲーム」 - 虚馬ダイアリー
  • 「アメリカン・スナイパー」 - 虚馬ダイアリー

    原題:American Sniper 監督:クリント・イーストウッド 脚:ジェイソン・ホール 原作:クリス・カイル 久しぶりの更新、今年最初の更新です。明けましておめでとうございます。(遅い) 約2ヶ月近く更新をしないなんてことは、ここ数年なかったことである。正直な事を言えば映画は見てきているんだけど、ブログの記事を書くほどに心がフィクションの世界に耽溺出来るような状況になかったというべきか。 きっかけとしてなにが原因かをぼんやりと探ると、「シャルリー・エブド襲撃事件」と「シリア日人人質事件」というふたつのテロ事件だと思う。この二つの事件は、僕をフィクションの世界への耽溺を許さない圧倒的現実としての、フィクションよりも大きな関心事となっていた。関心事というよりも、この二つの事件の狭間こそ日という国の潮が変わるきっかけのような気がしていて、その不安が僕の心を支配していたことは否定できな

    「アメリカン・スナイパー」 - 虚馬ダイアリー
  • 血の海の上で躍る。「誰よりも狙われた男」 - 虚馬ダイアリー

    原題:A Most Wanted Man 監督:アントン・コービン 原作:ジョン・ル・カレ 脚:アンドリュー・ボーベル 「お前は当の血の海を見たことがあるのか?バカが。」 この映画の主人公はギュンター・バッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)という。学歴は高くない。だが、たたき上げでかつてはワルシャワ、アデン、ベイルート、バグダッドなどで、秘密活動要員としての輝かしい経歴を持つ。しかし、ベイルートでの「失策」を理由に左遷された形で、今はドイツ・ハンブルクでテロ対策班を率いている。独自のカリスマ性とワーカーホリックで判断は果断な人間性はチームからの信頼は篤い。 ハンブルクはドイツ第2の経済都市で、エルベ河を100キロほど上ったところにある港湾都市。つまり船でやってくることが出来る大都市である。 ハンブルクにおいて何故テロ対策班が動いているかと言えば、元々移民を受け入れやすい都市であっ

    血の海の上で躍る。「誰よりも狙われた男」 - 虚馬ダイアリー
  • 合い言葉は狂気 「渇き。」 - 虚馬ダイアリー

    監督:中島哲也 原作:深町秋生 脚:中島哲也/門間宣裕/唯野未歩子 ♪そう!家は楽しいところ。笑顔の集まる楽しいところ。大和ハウスは楽しいところ♪(「大和ハウス」CMダイワマンシリーズより。)*1 中島哲也監督の新作である。 僕は中島監督を天才だと思っている。 「下物語」で人気監督に一気に上りつめた、CMディレクター出身の彼が突き詰めたスタイルはある種独特であり、そのスタイルは多くのファンを獲得したが、同時に忌避感を感じる人も少なくない。「映像作品」としてなら認めるが、映画として認めないという意見もTwitter上でよく見かける。しかし、僕はそういう「アンチ」を生み出すほどの強いスタイルを作れる作家は稀有だと思うし、彼の作る作品群はいい意味で脈絡がない。近作で言えば「嫌われ松子の一生」「パコと魔法の絵」「告白」とそれぞれにタイプの違う作品が並ぶ。 彼は新作に向かうときに、作り手として

    合い言葉は狂気 「渇き。」 - 虚馬ダイアリー
  • 業が詰まった沼の中で 「アクト・オブ・キリング」 - 虚馬ダイアリー

    原題:The Act of Killing 監督:ジョシュア・オッペンハイマー この映画は、1965年、スカルノ大統領政権下のインドネシアで起こった、軍事クーデターに端を発する、共産党員と疑われる市民に対して行われた100万人規模の大虐殺を、「加害者」たちの視点から「再演」してもらう過程を追ったドキュメンタリー映画である。 この映画に登場するアンワル・コンゴ氏は映画館ギャングとして幅を利かせたヤクザもんで、虐殺する側に回った「殺人者」である。 彼の中で1965年の虐殺は完全に正当化されている。だから彼の態度には被害者への哀れみや罪悪感なんてない。「だって、あいつら「共産党員」じゃんか。死んでもいい連中でしょ、あれ。俺、あれだけ人を殺しながら、こうして許されてるもの」というのがその理屈である。 監督からの「カメラを前に、自由に虐殺の再演をしてください。」という依頼に対しても、彼は快諾する。彼

    業が詰まった沼の中で 「アクト・オブ・キリング」 - 虚馬ダイアリー
  • 日本よ、これが「映画ではない」だ!2012年映画ベスト10- 虚馬ダイアリー

    どうも。更新量はぼちぼち戻ってきました。大体の映画が面白かった気がします。 しかしまー、今年も様々なものを見逃してしまっている気がしてなりません。「あれも見てない、これも見てない」という後悔が、恒例行事になっている私が今年の10を選んでみました。今年も、ハイセンスな映画選びみたいな路線はハナから捨ててます。エヘ。 ではいきます。 10位「ももへの手紙」 ももへの手紙 [Blu-ray] 出版社/メーカー: バンダイビジュアル発売日: 2012/10/26メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (20件) を見る感想:かくて少女は見守られる - 虚馬ダイアリー いやー、あまりに待望すぎて先行上映している広島まで見に行ってしまった。自分が映画感想を書き始めた頃にデビュー作を見てぞっこんになった沖浦啓之監督の、「人狼 JIN-ROH」以来12年ぶりの新作。思った以上に優しく、そして暖か

    日本よ、これが「映画ではない」だ!2012年映画ベスト10- 虚馬ダイアリー
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