人間は高い体温が下がるときに眠くなる。アルコールには高くなった体温を下げる効果があるため、確かに寝つきはよくなるが…… 眠れない、眠りが足りない、起きられない……。そんな「睡眠」に頭を悩ませている人は、日々の食生活に目を向けてほしい。実は、食と睡眠には深い関係があり、眠りに関する問題解決のヒントもそこに隠されているのだ。 まず、誤解を抱きがちなのが「寝酒でぐっすり眠れる」という通説だ。スリープクリニック調布の遠藤拓郎先生は、こう指摘する。 「人間は高い体温が下がるときに眠くなります。アルコールには、高くなった体温を下げる効果があるため、飲酒後に急に眠くなるのです。しかし、アルコールは3時間ほどたつと分解され『アルデヒド』という有害物質に変わり、交感神経を刺激して覚醒状態にしてしまいます。酒で寝つきはよくなるけど、眠りが浅くなるのはそのためです。酒は早めに飲んで、アルデヒドが分解される3