筆者が数日間、各店に密着し、古本屋の仕事を記録する古本屋の仕事日記。有名どころから街場の店まで、1カ月に1軒、1年間をかけて東京の古本屋12軒の風景をたどります。 「古書往来座」は、池袋駅東口を出て、明治通りを南へ10分ほど歩いたところにある。住所で言えば南池袋だが、副都心線の雑司が谷駅も徒歩6分の距離で、近くには鬼子母神堂もある。30坪ほどの店内には日本文学、海外文学、思想、映画、演劇、音楽、自然科学など幅広い棚が並んでいる。本だけでなく、壊れたタイプライターや秤、大正琴なども陳列されている。 代表を務める瀬戸雄史さんは1975年生まれ。1995年、「古本大學」(芸術劇場店)でアルバイトを始める。「古本大學」は、吉澤隆社長が創業した古本屋で、東京芸術劇場の店舗の他に、明大前店や経堂店があった。「古本大學」を引き継ぐ形で、2002年に独立。2004年に現在の場所に移転し、「古書往来座」を創