伴読部に関するchiguiのブックマーク (28)

  • 第4回:『貨幣論』岩井克人 - chiguiのブログ

    お金はなんで、お金なの? 貨幣論 (ちくま学芸文庫) 作者: 岩井克人出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1998/03/10メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 66回この商品を含むブログ (51件) を見る ダーウィンが進化を確信するにビーグル号航海が大きな影響を与えたことは有名な話だが、進化の理論を形作るうえで彼に影響を与えたとしてはまた、ライエルの『地質学原理』も有名だ。そして、このと並んでもう1冊ある。マルサスの『人口論』である。経済のからも無視できない示唆を受けたのだという。はじめてこのことを知ったときは、地質学はともかく、経済学と生物学という一見するとほとんど無縁に思える組み合わせに意外の感があったものの、『貨幣論』を読んでみて、『人口論』を読んだときにダーウィンの内で起こった作用、ないし閃きの感覚が―おこがましいけれど―ちょっとわかったような気がした。 書は、

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  • 第三回:『熊から王へ』中沢新一 - 「あれも、これも」

    伴読部第三回はast15さん指定の『熊から王へ』熊から王へ カイエ・ソバージュ(2) (講談社選書メチエ)作者: 中沢新一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/06/10メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 20回この商品を含むブログ (44件) を見る 人類学者・中沢新一によるカイエ・ソバージュシリーズの二巻目。カイエ・ソバージョは「超越的なもの」について、神話からグローバリズムの神学的構造にいたるまで人類の考え得たことの全領域を踏破し、現代の持つ過渡的な性格を明らかにすることを目指すものらしい。この巻では、「国家」の誕生がテーマとなっている。 中沢によると「国家」が成立する以前の人間は、神話的思考によって人間(文化)と動物(自然)の対称性を実現していた。しかし文化が自然を内包すること――対称性社会の崩壊――で「国家」が成立する。非対称性社会では、文化は「野

    chigui
    chigui 2012/03/21
    「ダイナミックな物語は確かに大変魅力的であるし、神話やその分布の解釈は文化人類学の面白さだろうと再確認」しかし「肝心の「王」が発生するところでひっかかる」
  • 伴読部 第3回『熊から王へ』 - けれっぷ彗星

    「熊から王へ」(中沢新一)読了。 原初、熊は神であった。 熊から王へ カイエ・ソバージュ(2) (講談社選書メチエ) 作者: 中沢新一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/06/10メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (49件) を見る 東北地方からカムチャッカ半島を渡り、アリューシャン諸島を越え、アラスカへ。環太平洋に散らばる神話から、「野蛮」と「文明」というストーリーを浮き上がらせる。熊から神性が失われ、その代わりに王が誕生してしまった、というふうに人類の歴史を捉えるというのは、なかなか大風呂敷。 今回の伴読部は僕のセレクト回でした。のオススメをされるのは得意なのですが、をオススメするのはあまり得意ではなかったりして。けっきょく自分が読みたいを選んだんじゃないのか?「どうしようかな」と思って青山ブックセンター六木店。中

    伴読部 第3回『熊から王へ』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/03/21
    「環太平洋に散らばる神話から、「野蛮」と「文明」というストーリーを浮き上がらせる」・・・「もし宮崎駿が「熊から王へ」を読んだら」「埋葬と獣人」「単純な疑問とか」「読む側の危うさ」
  • 第3回:『熊から王へ』中沢新一 - chiguiのブログ

    野蛮とは実際のところ、何だろうか?それは外にあるのではなく、内にあるもの。 熊から王へ カイエ・ソバージュ(2) (講談社選書メチエ) 作者: 中沢新一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/06/10メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (49件) を見る もしかしたら他の人も一度触れてみるとよいのでは―と思うものがとりあえず、2つある。1つは進化。そしてもう1つが、神話。2つとも一般的には、誤解や偏見のためにそのイメージが来意味するところとだいぶ異なってしまっているようで、たとえば「原発神話」という言い方があるけれど、神話が当はどういうものなのかを知っているとこの使い方にはちょっと抵抗を覚えるというか、積極的には使えない…だって神話は子供騙しでも荒唐無稽でも、空理空論でもない。実際のところ、まったく逆なのである。 やっぱり、神

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  • 第2回:『埋葬』横田創 - chiguiのブログ

    この小説は2度読むことになる。きっと。 埋葬 (想像力の文学) 作者: 横田創出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/11/25メディア: 単行購入: 10人 クリック: 480回この商品を含むブログ (20件) を見る たとえば「打ちのめされるようなすごい」に遭遇したとき、「誰かにオススメしたくてたまらない!」という衝動に駆られることがある。感動はときに共鳴効果を求めてやまない。一方でたいていは、その「すごい」という感触とはべつに、相手の嗜好に合う合わない等々を思い合わせるなどして控えるか、薦めるにしてもそっと差し出す程度に止まる。しかし、ごくたまに、あからさまな言い方をすれば、「押しつけてでも読ませたい!」という衝動を掻き立てるものに出くわすことがある。 押しつけること自体はそれほどむずかしいことじゃない。問題は、実際に読んでもらえるかどうかということだ。だからブログの場合

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  • 第二回:『埋葬』横田創 - 「あれも、これも」

    赤亀さん指定。埋葬 (想像力の文学)作者: 横田創出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/11/25メディア: 単行購入: 7人 クリック: 440回この商品を含むブログ (14件) を見る 河口湖畔のキャンプ用テントで母子の遺体が発見される。無理心中の可能性があるとみて捜査されていたが、ふたりを殺害し河口湖畔で遺棄したと供述する少年が出頭する。裁判にて少年は死刑を求刑されるが、死刑を反対する声明とともにふたりの遺体を河口湖畔まで運んだのは少年ではなく自分であるとの手記を夫が発表する。小説はこの夫の手記および事件を取材するライターによるインタビューと考察によって構成されている。 少年の自供と夫の手記はともに遺体を遺棄したと発言しており辻褄があわない。真相が隠されている。そして事件を取材する記者のインタビューに答えるひとびとの、事件あるいは殺害された田悦子についての供述から窺い知

    chigui
    chigui 2012/02/20
    「実は登場人物が口を揃えて語る本田悦子そのものに強く魅かれ、」
  • 伴読部 第2回 『埋葬』 - けれっぷ彗星

    「埋葬」(横田創)読了。 傲慢にも埋葬できるほど、あの人を大切に思えるだろうか? 埋葬 (想像力の文学) 作者: 横田創出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/11/25メディア: 単行購入: 10人 クリック: 480回この商品を含むブログ (20件) を見る 「産んでくれと言った覚えはない」と言ったことがある。母に向かってだ。これが実名ブログだとなかなかこんなことも書けないんだけど、まあ、ほぼ匿名だし、書いてしまおう。 中学生の頃だったような、母と口論になった自分は流れこそ忘れたものの、そのコトバが口をついて出た。母も大したもので、宗教こそ信仰していないが、オリジナルの信仰をしっかりと持っていて、「いや、あなたは私を選んで生まれてきたの」と真顔で言う*1。信じられなかった。そんな訳ないだろう。俺とおまえは偶然に親子になっただけなんであって、望んだわけではない。 どこまで行って

    伴読部 第2回 『埋葬』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/02/20
    「僕が読んだ『埋葬』は、そういう他者との関係のうち、どこまでが自分なんだろうかっていう話だった」
  • 第一回『ウンラート教授 あるいは、一暴君の末路』ハインリヒ・マン 今井敦訳 - 「あれも、これも」

    伴読部の記念すべき第一回配はハインリヒ・マン『ウンラート教授 あるいは、一暴君の末路』指定者はぼく。ウンラート教授―あるいは、一暴君の末路作者: ハインリヒマン,Heinrich Mann,今井敦出版社/メーカー: 松籟社発売日: 2007/10メディア: 単行購入: 4人 クリック: 143回この商品を含むブログ (11件) を見る あの坂金八先生が「きんぱっつぁん」という愛称ではなく「キンタマ」と蔑称で呼ばれていたらどんな教師になっていただろう。小さな町で数十年間教壇に立ち、生徒や町中に溢れる卒業生にあちらこちらでキンタマと囁かれる。に先立たれ、息子は不良。空に向かって叫んでも誰も集まってこないし胴上げもされない。堤防を歩いても自転車を商店街で駆け抜けても誰にも声をかけられないどころか後ろ指を刺される。そんな金八先生だったら、あのドラマは青春ドラマではなく、陰湿な別のものになっ

    chigui
    chigui 2012/01/16
    「そんな金八先生だったら、あのドラマは青春ドラマではなく、陰湿な別のものになっていただろう。ハインリヒ・マン『ウンラート教授』はそんな物語といえるかもしれない」