ブックマーク / ast15.hatenadiary.org (13)

  • 伴読部 第9回『渋滞学』 - けれっぷ彗星

    伴読部のスタートのとき、「理系っぽいセレクトもあったらな」という話があったような気がしていて*1、確かにそれも一理あるな、などと思いつつ、『熊から王へ』みたいな境界分野でノラリクラリしていたわけだ。ので、ここは一発、前提知識がなくても楽しめる理系セレクトにしてみよう、と思い立った次第であります。 渋滞学 (新潮選書) 作者: 西成活裕出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/09/21メディア: 単行購入: 8人 クリック: 100回この商品を含むブログ (147件) を見る 「理系」とは考え方である 理系の読み物といえば一番信頼しているのは当然ブルーバックスだけれども、読み応えと切り口、ハズレのなさで言えば化学同人選書だったりする。『地球温暖化の予測は「正しい」か?』とか『世界初!マグロ完全養殖』とか、一定のクオリティを持って、科学がその持ち味を活かせる切り口でパッケージングしてく

    伴読部 第9回『渋滞学』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/12/24
    なる、ほど。そういう読み方楽しみ方…「研究の追体験」て、前回で言う『新しい世界史へ』の視点を持ちつつ『東インド会社とアジアの海』を読む感じに近いのかも…? ちょっと『ウナギ大回遊』で試してみる。
  • 伴読部 第8回 『東インド会社とアジアの海』 - けれっぷ彗星

    国でも時代でもなく、東インド会社という切り口が秀逸。 今回は赤亀さんの推薦で、あまり慣れない「歴史」に挑戦することに。 東インド会社とアジアの海 (興亡の世界史) 作者: 羽田正出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/12/18メディア: 単行購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (22件) を見る 僕の歴史の知識は中学生レベルだけれども、どの辺りの歴史が好きかといえば、日史なら江戸時代、世界史だと第一次世界大戦。江戸時代だと、幕府がいかに外様大名に反乱を起こさせないように、参勤交代やらせたり、地方の土木工事させたりするのとか、安定性を保たせるような仕組みづくりのあたりがすごくおもしろいなーと思っていた。第一次世界大戦だと、技術革新による「戦争」の意味合いのシフトとか、植民地を巡る利害対立とか、そういういくつもの意味合いが絡みあう感じがとても好きで。 戦国時代とか

    伴読部 第8回 『東インド会社とアジアの海』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/10/30
    ほぼ同意>「歴史を学ぶことは…」の項/歴史は正当性とか箔付けのための道具じゃなくて、「過去を視る」ことが「今を視る」ことにもなるという不思議の装置。だと思う。
  • 伴読部 第7回 『エンジン・サマー』 - けれっぷ彗星

    文明崩壊の後、<しゃべる灯芯草>が語るモノローグ。 今回はなむさんのセレクト回です。 エンジン・サマー (扶桑社ミステリー) 作者: ジョンクロウリー,John Crowley,大森望出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2008/11メディア: 文庫購入: 37人 クリック: 234回この商品を含むブログ (103件) を見るBGMはずっとこれでした。 最後のオチを見て、「あ」となる選曲だけども。 「自然と人工」としての小春日和 ミクロ版「地球の長い午後」というところだろうか。文明が崩壊し、高度技術が失われた後の世界では、人類が細々と暮らしている。という設定的な意味でもそうなんだけど、どちらかと言えば、自然が人工物を覆い尽くしつつある、というような情景として。 森は強い。世界はのろいけれど強い。サービス・シティが森に呑まれてゆくにつれ、<道路>も川の流れに呑まれ、冬に壊されていく。そしてベ

    伴読部 第7回 『エンジン・サマー』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/09/09
    事実「あ」となった(苦笑)CD買っちゃった>Fennesz「Endless Summer」/わかったかも…記憶に対してなむさんは「風化」、ast15さんは「喪失」と言う―たぶんこのちがいだ。前提になってる記憶の“在り方”がちがうのかも。
  • 伴読部 EXTRA 『贈与論』 - けれっぷ彗星

    今回の伴読部はEXTRA回。第7回でないのは、このを選んだのがメンバーではなく、伴読部そのものだから。「贈与論」を選んだ、というよりは、この流れならやはり「贈与論」は抑えておこう、という文脈が存在したのです。 贈与論 (ちくま学芸文庫) 作者: マルセルモース,Marcel Mauss,吉田禎吾,江川純一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/02/01メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 49回この商品を含むブログ (82件) を見るもともとは、 『埋葬』の自己と他者を預けあう感覚は、『熊から王へ』の贈与と重なっているようにみえる。それじゃあ次は贈与と関係のあるものを、あるいは贈与から横滑りするものを指定しよう。ならば贈与経済とは違った形態のもの、貨幣経済をテーマにしよう。 ということで、なむさんが「貨幣論」を提示したときに、「贈与論」もありか?という話は挙がっていた。僕

    伴読部 EXTRA 『贈与論』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/07/29
    そうそう、内田樹はよく『贈与論』を引き合いに出してくるって印象がある。そして同じ文脈上で、彼は小津映画によく言及する。
  • 伴読部第6回 『メモリー・ウォール』 - けれっぷ彗星

    思いのほか長く続き、という言い方も失礼かもしれないが、2巡目が終わろうとしている伴読部。今回は僕の指定回だったので、久しぶりに小説を、と思い、去年読んだ「シェル・コレクター」がオオアタリだったアンソニー・ドーアの新作を選んだ。屋大賞の翻訳部門小説でも3位になったとかで、まあ「なんとか大賞」なるものをあまり信用してはいないものの、ドーアの知名度も上がりつつあるだろうか。ていうか、屋大賞ってもともとは「書店員のオススメ」みたいな、個々人の嗜好が強く出るものを想定しているんじゃないのか?それを投票で決めたら平準化されて「一般的な」がピックアップされてくるだけのような。コンセプトとしてどうなんだろう?○○書店□□店の屋大賞くらいが味のある企画だと思うけど、って話が逸れまくりでした。 メモリー・ウォール (新潮クレスト・ブックス) 作者: アンソニードーア,Anthony Doerr,岩

    伴読部第6回 『メモリー・ウォール』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/06/25
    これは…100字でコメントするのちと厳しい。とりあえず1つだけ。「セピア色のウォール」でのast15さんの思考、感覚、ないし言葉の選び方は、とても理系的だと思った。文系的だとこうはならない/できない。
  • 伴読部 第5回 『ヴァギナ 女性器の文化史』 - けれっぷ彗星

    それでも、何世紀ものあいだ、世界中の女性たちが力を振るうためにスカートをまくりあげてきたことは、紛れもない事実だ。 ヴァギナ 女性器の文化史 (河出文庫) 作者: キャサリン・ブラックリッジ,藤田真利子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/02/04メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 638回この商品を含むブログ (28件) を見る 表紙からして意志を感じる。たぶん作者にしてみればモザイクなどなしで載せたかったのだろうが、よくもまあこの表紙で出版できたな、という。それは、半笑いで手に取ってんじゃねーよこちとら真剣なんだよ!的な意志だ。「ヴァギナを見せる」と「敵を退け魔を追い払う」ことができるというミームは世界各地で見られるそうで、「ヴァギナを見せられ退散する悪魔」の図に描かれた女性のドヤ顔っぷりはかなりハンパない。表紙にヴァギナを掲げたのも、「ヴァギナについては語るべき

    伴読部 第5回 『ヴァギナ 女性器の文化史』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/05/21
    笑>「退散する悪魔」の図に描かれた女性のドヤ顔っぷりはかなりハンパない&まんじゅうこわいメソッド/ヴァギナを「怖い」と感じるのは人間が視覚に頼る生き物だからかも…とふと思った(ペニスと違って“見えない”)
  • 伴読部 第4回 『貨幣論』 - けれっぷ彗星

    よくわからなかった。いや、書いてあることはわかったんだけど、その内容の重要性がよくわからない。現在の問題とあまりリンクしているように思えなかったからだ。やっぱり問題意識の在処が違うんじゃないかな。もう少し経済の歴史を、世界恐慌の辺りから冷戦構造の終わりくらいまでを丁寧に追っていれば、どういう危機意識をベースに思考しているかがわかると思うんだけどね。などと考えて、そうでもないような気がしてきたので、ちょっと現在の問題にリンクさせてもう少し自由に考えていこうかな、と思う。 貨幣論 (ちくま学芸文庫) 作者: 岩井克人出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1998/03/10メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 66回この商品を含むブログ (51件) を見る サブプライムショックと貨幣論 まあたぶん、このを現代という視点で読むんだとすれば、サブプライムの話を出さないわけにはいかないだろう。

    伴読部 第4回 『貨幣論』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/04/30
    「市場の崩壊≠資本主義の崩壊」/貨幣の変容についての議論は実際的には、「国家(社会システム)」の変容あたりに行き着くものなんだろうなと思う。てか『貨幣論』的な議論って要は、そこを本題にしたいはず・・・?
  • 伴読部 第3回『熊から王へ』 - けれっぷ彗星

    「熊から王へ」(中沢新一)読了。 原初、熊は神であった。 熊から王へ カイエ・ソバージュ(2) (講談社選書メチエ) 作者: 中沢新一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/06/10メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (49件) を見る 東北地方からカムチャッカ半島を渡り、アリューシャン諸島を越え、アラスカへ。環太平洋に散らばる神話から、「野蛮」と「文明」というストーリーを浮き上がらせる。熊から神性が失われ、その代わりに王が誕生してしまった、というふうに人類の歴史を捉えるというのは、なかなか大風呂敷。 今回の伴読部は僕のセレクト回でした。のオススメをされるのは得意なのですが、をオススメするのはあまり得意ではなかったりして。けっきょく自分が読みたいを選んだんじゃないのか?「どうしようかな」と思って青山ブックセンター六木店。中

    伴読部 第3回『熊から王へ』 - けれっぷ彗星
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    chigui 2012/03/21
    「環太平洋に散らばる神話から、「野蛮」と「文明」というストーリーを浮き上がらせる」・・・「もし宮崎駿が「熊から王へ」を読んだら」「埋葬と獣人」「単純な疑問とか」「読む側の危うさ」
  • 伴読部 第2回 『埋葬』 - けれっぷ彗星

    「埋葬」(横田創)読了。 傲慢にも埋葬できるほど、あの人を大切に思えるだろうか? 埋葬 (想像力の文学) 作者: 横田創出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/11/25メディア: 単行購入: 10人 クリック: 480回この商品を含むブログ (20件) を見る 「産んでくれと言った覚えはない」と言ったことがある。母に向かってだ。これが実名ブログだとなかなかこんなことも書けないんだけど、まあ、ほぼ匿名だし、書いてしまおう。 中学生の頃だったような、母と口論になった自分は流れこそ忘れたものの、そのコトバが口をついて出た。母も大したもので、宗教こそ信仰していないが、オリジナルの信仰をしっかりと持っていて、「いや、あなたは私を選んで生まれてきたの」と真顔で言う*1。信じられなかった。そんな訳ないだろう。俺とおまえは偶然に親子になっただけなんであって、望んだわけではない。 どこまで行って

    伴読部 第2回 『埋葬』 - けれっぷ彗星
    chigui
    chigui 2012/02/20
    「僕が読んだ『埋葬』は、そういう他者との関係のうち、どこまでが自分なんだろうかっていう話だった」
  • 興味がないのではなく,知的に怠惰なだけではないか? - けれっぷ彗星

    興味・関心は知識量に比例する.今皆さんの中で興味があると思っているものの大半は,単にそれまで接触する機会が多く,その分野に知識があるにすぎないことが多い.たとえば,「ITには興味がない」という若者の多くは,当にITに興味がない志向の人なのではなくて,単に不勉強であるとの自覚を持つべきだと思う. 既に興味を持っている分野は,消費者としての自分が受身で接することの多い,広告やマスコミ,消費財の類の分野が多い.おまけに消費者として自分が接するものは既に大衆化しており産業としては成熟しているケースが多いので,産業としてはピークアウトな可能性が高い.一方で,IT分野をはじめこれから成長する新しい分野は歴史がまだ浅い分,大衆的な文脈で知識を入れる機会が少ないため,放っておくと興味を持ちにくい構造になっている. つまり,これからの時代に必要となるものは何か?社会的に重要なテーマは何か?これからの世の中

    興味がないのではなく,知的に怠惰なだけではないか? - けれっぷ彗星
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    chigui 2012/02/02
    伊藤氏の言はここ数年、個人的に意識的になっている点だ。越境横断。自ずと諸分野間の共通点と違いも見えてくる。でも、その出発点(ないし軸)として、専門or特異分野があると越境や発見がしやすくなるようにも思う。
  • ミミズが干からびても,アスファルトを呪うべきではない - けれっぷ彗星

    http://d.hatena.ne.jp/chigui/20120127/1327659538 赤亀さんのエントリにコメント書いてたら勝手に長くなってしまったので,トラックバックにします.オモシロイ読み方&力作エントリですね.『土の文明史』は読んでないですが…… そうなんですよ.土は忘れられがちな「資源」なのですが,歴史と文明の履歴を保持しているわけです.しかも,物理的な営力だけじゃなくて,化学的な作用,生物的な作用を受けているところが興味深いのです. 環境は聖域じゃない そういう土壌,というか農業を「市場原理で測ってはならない」は,現時点ではまあその通りかな,と思いますが,これを「農業を市場原理の聖域にするべき」なのか「市場原理は生態系サービスをビルドインすべき」なのかでは,僕は後者に比重を置きたいですね.市場に不備があるから,問題が起きるっていうような. 理由はふたつ.防御的な理由と

    ミミズが干からびても,アスファルトを呪うべきではない - けれっぷ彗星
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    chigui 2012/01/31
    「自然を視る感覚にこそ多様性があります」「異様だと感じる感覚は,たぶんいろいろな思考の「起点」であって,自分のオリジナリティが反映された結果・・・(以下続く)」
  • 台所空間学 - けれっぷ彗星

    「台所空間学座談会」(山口昌伴ほか)読了。 文化に注目が集まる今日、台所だけが取り残されている。 座談会 台所空間学 作者: 山夏彦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1985/07メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る 目次 第一章 いまは昔のの風景 第二章 どこへいった、「味」と「台所」 第三章 そこでだれが作ってだれがべるか 第四章 台所開眼―デザイナーおおいに語る 先日、渋谷の古市で偶然見つけた一冊だ。台所空間学 (コンフォルト・ライブラリィ)というの評判は前から聞いていたのだが、その座談会バージョンということで、迷わず購入した。「台所」を注意深く眺めると、日人の文化と生活がまったく新しいものとして見えてくる。 台所ってなんなのだろう? 台所とは来的にはなんだったのか?そんなの、料理をつくる場所に決まっている?実は、僕らが今考えている台所と、そ

    台所空間学 - けれっぷ彗星
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    chigui 2011/09/25
    “台所系男子”律もびっくり!(マンガ『銀のスプーン』より)―タイトル聞いたときからおもしろそうだなと思ってたけど、やっぱりおもしろそう。お寿司が発酵食品だったというのは驚き。
  • 思想としての「無印良品」 - けれっぷ彗星

    『思想としての「無印良品」』(深澤徳)読了。 消費者から生活者へ。 思想としての「無印良品」? 時代と消費と日と? 作者: 深澤徳出版社/メーカー: 千倉書房発売日: 2011/06/15メディア: 単行 クリック: 9回この商品を含むブログ (8件) を見る 目次 はじめに 序章 「無印世代」として 第一章 無印良品の沿革 1 前史 1・1プライベート・ブランドからの軌跡 1・2 開発の方向性 1・3「戦略」のパースペクティブ 1・4 目指される生活者像 2 草創期 2・1「無印良品」の名指すもの 2・2「わけ」という文脈の創造 2・3 波及 3 発展期 3・1青山店と専門店展開 3・2独立と海外進出 3・3 バブル崩壊と順風 4 現在から未来 4・1初めての危機 4・2感性から科学へ 4・3試みと挑戦 第二章 「無印良品」という思想 1 「反体制」の意味 2 「私」の浮上 3 メデ

    思想としての「無印良品」 - けれっぷ彗星
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    chigui 2011/08/12
    「ビニール傘」の謎を解く一助となるやもしれぬ。あと、メディアとの関わり方なんかに関しても。どちらもキーワードの一つは「消費者(的思考)」…?
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