皆さん、こんにちは。慶応大学の岸です。今週から「クリエイティブ国富論」というタイトルで連載をさせていただきますので、よろしくお願いします。今回は初回ですので、この連載で取り上げていく論点の背後にある問題意識を説明したいと思います。 この連載では、クリエイティブ産業がこれからの日本の主要産業になるべきであることをご理解いただき、またその強化のために取り組むべき様々な問題点について検討していきたいと思っています。 そのためにも、まず最初にクリエイティブ産業とは何かを説明したいと思います。 クリエイティブ産業とは、知的財産を活用する産業全般を包含する英国発の概念です。この産業を所管する英国の文化・メディア・スポーツ省の定義によれば、クリエイティブ産業は以下の13のセクターから構成されます。 広告(Advertising) 建築(Architecture) 芸術及びアンティーク(Arts