昨日はBSU論文ないしそれを受けたブラード論文への素朴な疑問を記したが、今日は、その話題の続きとして、さらに3つの論点を挙げてみる。 自然利子率上昇策とBSU論文の矛盾 昨日のエントリでは、フィッシャー式における実質金利は自然利子率であろう、と論じた。しかし、そう考えると、自然利子率が上昇した場合、BSUないしブラード論文におけるテイラー式とフィッシャー式の2つの交点は、原点からより遠ざかることになる(下図)。ということは、もし彼らが論じるように日本が低位均衡に陥っているならば、一般には望ましいこととされている自然利子率上昇は、デフレをますます悪化させることになる。 学界における低位均衡の不安定性の議論 昨日のエントリには、マッカラムや岩本康志氏の日本銀行金融研究所における論文を紹介するコメントを頂いた。マッカラムの論文は「ゼロ金利制約に関する誤解(2006)」、岩本氏の論文は「「デフレの
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