軍用技術を積極的に民間転用するイスラエルは、IoTのコア技術に強みがある。日本の高度なモノ作りにほれ込み、協業を目指すイスラエル企業も増えてきた。 パレスチナ自治区に面したイスラエル東部の古都、エルサレム。建物の外観が白色で統一されているのは、イスラエル産の白レンガを使用しているからだ。米国のインテルやシスコシステムズなど、IT企業の研究開発拠点が集積するハーホッツヴィム工業団地も例外ではない。 この工業団地の中でもひときわ高いビルに、今世界の自動車メーカーが注目する男がいる。アムノン・シャシュア氏(56歳)。仲間と共にモービルアイを創業し、会長兼CTO(最高技術責任者)として同社を率いる。 モービルアイの画像認識チップ「EyeQ」は、全世界約270車種、1200万台に搭載されている。創業からわずか17年だが、運転支援システム向け画像認識チップの分野で首位の座を確実なものにしている。201