いま教育が危機に瀕している。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、学校の物理的機能を停止させた。3月2日から、全国の9割以上の小学校、中学校、高等学校など(以下「学校」とする)が一斉に休校した。 連休明けから、全国の1割程度の学校が再開した。文部科学省によれば、9割以上の学校が6月1日の再開を予定しているという。とはいえ、すでに2~3カ月分の授業が失われた。感染が大きく広がった地域では、学校を再開しても、すぐには通常授業に戻れない。ひとたび集団感染が起これば、再び休校に追い込まれかねない。いまだ先行きの見えない状況なのである。 事態に対処するため、文部科学省は学習の遅れを複数年で解消する方針を発表した。つまり、今の学年で学び切れなかったことを、次の学年に持ち越すということ。要するに、全国規模の学習の遅れは必至ということだ。 日本の教育の弱点 学校の物理的機能が低下した現状