長らく続いた円高不況に苦しみ、国内生産では価格競争力を維持できなくなった製造業の多くが、生産拠点を国内から海外へとシフトさせた。安い人件費を求めて中国や東南アジアに新工場を立ち上げ、為替変動の影響を受けにくい現地生産を拡大させた。 そんななか、あえて国内にとどまったメーカーもある。そこでは人手に頼らずロボットを多用し、ITと製造ビッグデータを駆使して、きめ細かくラインを制御。限られた人員で生産性と品質を高めることに挑んだ。それが今の円安局面で強みに変わった。 日産車体の100%子会社で、九州に生産拠点を構える日産車体九州もその1社。年間生産台数12万7000台(2014年度の実績)の7割を海外に輸出する同社は、「日本で作って世界で売る」ものづくりをロボットと共に実践している。まずは、同社の最新の取り組みを見ていこう。 日産車体九州の工場では、500台以上のロボットが毎日黙々と“働いて”いる
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