ネット文学に関するcho-zuのブックマーク (6)

  • 雨の日のお誕生日会 - ちるろぐ

    さっき、お家に帰りついたけど、横なぐりの大雨で下着までぐしょ濡れになった。傘なんかぜんぜん役に立たなくて背中までびっしょり。 オマケに大きな水たまりにはまって、お気に入りの革が水没。急いでティッシュを詰めて乾かしてるけど、ちゃんと乾くかな。 いつもなら、こんな目に遭ったら、ひどく落ちこむのだけど、きょうはちょっとウキウキしている。 今日、彼女の誕生日なんだよ。 今年で68歳の彼女とは、かれこれ20年の付き合い。事情があって結婚はできなかったけど、いつも一緒にいた。 僕はちょっと精神的に不安定なところがあって、若い頃は泣いてばかりいた。人付き合いの苦手な僕は、いつも勝手に悩んで、勝手に落ち込んで、ひとりで勝手に孤独になっていた。 そんなとき出会ったのが、今の彼女だった。小柄な彼女は、生まれつき足に障害があって、歩き始めたばかりの3歳児みたいに歩く。ひょこひょこと動き回って、いつも笑顔の彼女

    雨の日のお誕生日会 - ちるろぐ
    cho-zu
    cho-zu 2016/06/21
    良い。
  • カメムシだって嫌われたくてやってるんじゃない - 多目的トイレ

    カメムシとは悲しい生き物だ。 彼はかなり癖のある独特の悪臭を振りまく昆虫として有名だが、実のところその悪臭を振りまく理由はよくわかっていない。普通、こういった悪臭は天敵に対して有効で、欲をなくす臭いを放出することで自分の身を守ることが多い。しかしながら、カメムシの出すその臭いは全く有効ではなく、天敵である鳥はいくら悪臭を出そうがガンガン捕してべる。なんなら少しクセがあってこの臭いがたまらんよね、くらい思っている可能性があるのだ。 何の意味もないのに強烈な臭いを発して人々から忌み嫌われる。そんなカメムシのことを思うと少し切なくなるし、いつのまにか自分の身に重ね合わせて悲しい気持ちになってしまう。 この世の中にはカメムシのように何ら意味のないことが原因で嫌われている人も多い。もちろん僕だってそうで、例えば自分の中に譲れない何かがあって、それがもとで周囲と衝突して嫌われている、ならまだ分か

    カメムシだって嫌われたくてやってるんじゃない - 多目的トイレ
    cho-zu
    cho-zu 2016/05/12
    会社で読んで笑いこらえてたら、鼻から空気でていってフヒィって変な音でた。
  • 通学路の松井さんは僕にだけ挨拶をしてくれない - 多目的トイレ

    松井さんは僕にだけ挨拶をしてくれなかった。 どうも使えないやつと思われているのか、仕事をやる気はあるのに仕事を回してもらえなくて少し憂な気持ちで出勤していた時、少し思い立っていつもと違う通勤経路を歩いてみた。 そこで僕は一人の老人に出会った。あれは去年のこんな季節の頃だっただろうか。通りが一違うだけでそこは世界が違っていて、繰り広げられる朝の風景もどこか別の世界のそれのようだった。 賑やかに走る小学生の集団、電車に間に合わないのか鬼の形相で時自転車を漕ぐスーツ姿のサラリーマン、仏頂面で犬の散歩をするご老人、井戸端会議に余念のない主婦たち、僕が知らなかっただけで通りの数だけ朝の風景が展開されているのである。 緩やかなカーブの手前に大きな木を庭に植えている家がある。立派な門構えの家で、その横の広大なスペースも月極駐車場として貸しているような雰囲気だった。その立派な門と駐車場の間のスペースに

    通学路の松井さんは僕にだけ挨拶をしてくれない - 多目的トイレ
    cho-zu
    cho-zu 2016/05/10
    これはズルい、名文だ。
  • 時計が深夜2時を指している。 こんな時間に起きている連中が常道を歩んでい..

    時計が深夜2時を指している。 こんな時間に起きている連中が常道を歩んでいるはずがない。 などと、わざわざ主語を強めて言ってみたくなる時間帯だ。 辺りはしんと静まり返っていて、世界に自分だけ取り残されているかのようだ。 もちろん、近場のコンビニに行けば店員が居て、今頃ぞくぞくと運ばれてくるダンボール箱たちを相手にしているのだろう。 別に特別なことじゃない。けど、子供の頃思い描いていた普通の人生とはちょっと違う。 そういう生き方を知ることができるのが、大人になるということなのかもしれない。 ふと見上げると2時5分。この視界にあるのはモニターと時計、机と棚、見ることの無くなったテレビ。 語らなければ知られることもない景色。絶景でも雄大でもない、ごく普通の団地の一部屋。 しかし人生とは不思議なもので、こんな他愛無い景色を、こんな他愛無い文章をここまで読んでしまう奇特な人は知ることになる。 何を話

    cho-zu
    cho-zu 2016/04/22
    深夜は人を文学的にするよね。
  • たったひとつの冴えたやりかた - 多目的トイレ

    彼女のことがとりわけ大きく見えたのはきっと錯覚だったのだろう。 黒板の前に立つ彼女は、先生の半分くらいの身長で、黒板に大きく書かれたおそらく彼女の名前であろう四文字の漢字よりも随分と小さかった。一般的なこの年代の小学生より少し小さいくらいの小柄な女の子だった。 「お父さんが火事で死んだので転校してきました」 ランドセルを背負った彼女がその小さな口から、あまりに普通に、それこそ先週の日曜日は家族でイオンに行きましたというくらいの当たり前のトーンで衝撃的なセリフを言ってのけた。それは彼女なりの最初に一発かましてやろう、という勝負のギャグだったのか、それとも何か頭のおかしい謎のサイキック転校生がやってきてこれからドタバタ学園コメディが始まるのか、様々な思いが頭の中を駆け巡ってどう反応していいのか分からない状態だった。 「山田さんのご家庭は不幸な事故がありました。そして、お母さんの実家があるこちら

    たったひとつの冴えたやりかた - 多目的トイレ
    cho-zu
    cho-zu 2016/04/20
    暖かい想いってのは、疫病のように確実に広まっていくんだと想いたい。そういうものに、味噌つけて回る人だっているけれど、きっとそんなものはものともしない強い疫病になる。
  • 夏の匂いとハッシュタグそして140文字の彼女 - 多目的トイレ

    そのオッサンの存在に気が付いたのは、まだ夏の匂いが残る暑い日のことだった。 何の気なしにツイッターのタイムラインを眺め、そこから気になった人物のツイートを辿り、さらにそこから気になった人を巡る、というインターネットラビリンスの中に身を沈めていた時、一つのツイートが目に留まった。 「#リツイートしてくれた人の印象を語る」 たしかこんなハッシュタグがついたツイートだったと思う。ツイートの主は、若い女の子だった。異形とも呼べるほど大きな瞳に補正されたプリクラをアイコンにし、仲間たちとの写真に「いつめんフォーエバー」みたいな文字をレイアウトして背景画像にしているような、「青春の光」と言うしかない女の子だった。 もちろん、何のためらいもなく住んでる地域、学校名、クラスまで情報は満載で、インターネット的丸裸を実践している女の子だった。過去のツイートを遡って見ていると、やれ学校帰りにアイスをっただの、

    夏の匂いとハッシュタグそして140文字の彼女 - 多目的トイレ
    cho-zu
    cho-zu 2016/04/20
    インターネットは、無機的なものからいつのにか温かみを持ったものへと移ろいつつある気がする。
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