神の雫 v.s. 極道めし、またはエンタテイナは如何に語るべきか 「グルメマンガ」というのは、マンガの王道ジャンルっぽい。 でも、グルメマンガの大半は「作る側」のバトル漫画になっていく。まあ、当然といえば当然だ。理由は二つある。 1: 消費者はバトルの主人公ではない。食べる側がバトルをしようと思ったら、大食いくらいしか勝負方法がない。 2: 「作る側の薀蓄」は情報なので伝わるのだが、「味覚」「嗅覚」どちらもマンガでは伝わらないので、食べるだけだと情報伝達が難しい。 ・・・とか思われてきたわけだ、今までのマンガ界では。 ところが、最近これをひっくり返す名作が二本出てきた。 「神の雫」と「極道めし」 「言葉から味を再現する」というのは本来出来ない。味覚も嗅覚も、言葉にしてしまうと伝わりにくい感覚だし、この絶望的なコミュニケーションを成し遂げる「話術」が二つのマンガのテーマになっている。