始原生物に限って,自然発生したと考えられているのではないでしょうか。 酸素がなく,有機物をえさとする他の生物もいないような環境中では,無生物的に生じたアミノ酸などの有機物が,分解されずに長期間にわたってどこかに蓄積され続けることは可能だったでしょう。そして,有機物どうしの相互作用で,より複雑な有機物や,触媒のはたらきをする有機物や,遺伝子のはたらきをする有機物なども生じたと考えることができます。 ミラーの実験は,無生物的に有機物がつくられた可能性を示し,オパーリンのコアセルべート説は,有機物が組み合わされて細胞に似た構造ができた可能性を示しています。 ところで,パスツールは,大気に酸素が含まれ,生物がすでに存在している現在の地球で「自然発生が起こらない」ことを証明したのです。有機物はたちまちのうちに酸化されたり,他の生物のえさになってしまいますよね。気が遠くなるような年月をかけて,有機物が
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