*沈ませたカメラを空にむけ、水面ちかくを浮遊するクラゲを撮影したもの ロックアイランドの島々のうちのひとつ、マカルカル島のジャングルの奥、舗装されていない、道ともよべないような急勾配を、ロープにしがみつきながらのぼったさきに、その湖はあった。早朝PPR(パラオ・パシフィック・リゾート)の船着き場を出発し、さびついた大砲がいまだのこる洞穴や、沈没した戦闘機、石油缶の残骸が放置された、かつてのゼロ戦の給油地など、太平洋戦争の戦跡をめぐりながら海をすすんで30分、たどりついた島の桟橋からはおよそ10分。たいした距離ではないけれど、足場がわるいため息切れがする。滞在3日目に訪ねたジェリーフィッシュレイクは「ナショナルジオグラフィック誌」が紹介して以来、にわかに脚光を浴びたふしぎな汽水湖だ。くすんだ緑色のその湖は、大昔の地殻変動により、四方をロックアイランドにかこまれて、誕生したのだという。 おびた