「なんで日本人はちょんまげなんて珍妙な髪型をしていたのだろう?」という疑問は昔から持っていた。持っていたが、べつに喫緊の課題というわけでもなく、「お前も元服したのだから」という話もなく、放っておいた。 放っておいたところで、やはり何十年越しに気になって検索したりした。あるいは、その話題が目に入ったのか。よく覚えていない。覚えていないが、おれの読書リストに次の本が入った。 魔女の黒髪 天使の金髪―カミが見ていた世界の歴史 作者:夏森 恩 発売日: 1994/11/01 メディア: 単行本 これに、ズバリの答えがあった。むろん、「※諸説あります」かもしれないが。 チョンマゲの「まげ」を載せる剃りあげた部分は、丸い月の形から「月代」と呼ばれ、既に源平時代から行われていた。武士が戦闘中にザンバラ髪になったとき、髪の毛が顔に垂れ下がっては、相手と戦うときに大きな障害になると分かったからである。この風