ADHDの子どもの服薬前(左)と服薬後(右)の脳画像。服薬前は中央付近にある視床や線条体周辺の働きが不十分で黄色が少ないが、服薬後は黄色が増えて働きが増している。(水野敬研究員提供) 発達障害の一つ「注意欠陥多動性障害(ADHD)」の子どもは、健康な子どもが同じゲームをして働く脳の中央付近の部位「視床(ししょう)」と「線条体(せんじょうたい)」がほとんど働かないことを、理化学研究所分子イメージング科学研究センター(神戸市中央区)などの研究グループが突き止めた。これらの部位を観察することで客観的な診断などにつながる可能性があるといい、26日、神戸市で開かれる日本分子イメージング学会総会・学術集会で発表する。 ADHDは、不注意や多動性、衝動性といった症状が特徴で、同グループによると、国内では小学生と中学生の5〜15%を占めるという。「ドーパミン」など神経伝達物質の不足が一因とされ、情報伝達を