岡田克敏さんの「足利事件の一側面」を面白く読みました。ここでは、「科学的思考の出来ない人が、科学技術の知識を要する判断を平気でやっている」ことの問題点を指摘しておられます。論理的、科学的な思考の出来ない人は、たまたま誰かが申し立てた「科学技術の知識らしいもの」を無批判に信じてしまう傾向があります。こういう人達は、「自ら考えて論理的に納得すること」をはじめから放棄しているのと、「一部の例証だけから原理を導くことは出来ない」という「科学の世界では当たり前のこと」を理解していないからです。 これは、明らかに諸外国よりも日本においてより多く見られる現象です。私は、その一因は、「文科系」と「理科系」を殊更に分けているかのような、現在の日本の教育制度にあるような気がします。また、会社などの組織体においても、お互いに「自分達の得意分野によそ者を入れたくない」といった「縄張り意識」が働いていることが多いの