訪日旅行客を、全国の津々浦々へ-。そんな民間主導の取り組みが相次ぎスタートした。出版大手KADOKAWAや、飲食店検索サイト大手ぐるなびなどが9月、それぞれ「アニメの聖地巡り」や「食と温泉」をテーマに観光振興を図る団体を旗揚げした。国内経済を一時うるおした中国人客の「爆買い」が陰る中、人気が高い日本のソフトパワーを前面に打ち出すことで、長期的な集客力につなげることが期待される。 岐阜県・飛騨市図書館で今年、“事件”が起きた。月平均の来館者数が1万人前後の小さな図書館だが、興行収入100億円を突破したアニメ映画「君の名は。」で重要な舞台のモデルとなったことから、作品のファンが“聖地”として続々と“巡礼”するようになったのだ。同館はこれを歓迎。申請すれば館内撮影も認めるとあって、“巡礼者”たちからは「公的施設なのに柔軟だ」「神対応」と賛辞が上がっている。 もっとも、こうした例は近年珍しくな