『認知科学』の第28巻第4号が刊行され、4月に採択が決定した英語の論文が掲載されました。この号は12月15日には J-STAGE で公開され、open access になります。公開された論文を ResearhGate (学術情報公開サイト)に登録すれば、このテーマに興味を持っている世界中の研究者が全文を無料で閲覧できるようになります。 この論文では、日本人論に関する実証的な日米比較研究の結果を報告しています。『甘えの構造』の中で土居健郎は、「客に飲み物を出すとき、アメリカ人はそれぞれの客に好みを尋ねるが、日本人は尋ねない」と記し、以来、日本文化の特質を表すものとして、多くの研究者がこの「文化差」に言及してきました。Markus & Kitayama (1991) は、「日本人が尋ねないのは、客の心を読むからだ」と主張しました。 しかし、研究1では、日本人回答者の過半数は、多くのアメリカ人