はじめに 本準備書面は、証人尋問及び原告ら本人尋問の結果を踏まえ、原告らの主張の正当性を改めて明らかにするものである。 証人尋問では、警視庁の現職警部補2名から、捜査幹部が事実を捻じ曲げて立件に漕ぎつけた過程が赤裸々に語られた。その証言とこれまでに顕出された客観証拠を合わせると、捜査開始から起訴までの経緯は大要次のとおりである。 ⑴ 端緒と初期的な捜査 平成27年3月に実施されたシステックの講習会で噴霧乾燥器の情報を入手した警視庁公安部は、数あるメーカーの中から高い技術力と国内シェアを有する原告会社を対象に捜査を進めることした。そして、貨物等省令の定める規制要件イ・ロ・ハのうち解釈上の疑義のある本件要件ハについて、噴霧乾燥器の内部を空焚きすれば乾熱により内部を「滅菌又は殺菌」できるだろうと考え、メーカー、ユーザー、有識者からの聴取を開始するとともに、経済産業省に対して輸出許可の実績について