「全国転勤を条件に出世する従来型の総合職モデルがイヤというのは、何も、今に始まったことではないです。本当はそう思う男性はたくさんいたはず。ただ、それが顕在化したのでは」 女性の働き方を調査する派遣会社ビースタイルのシンクタンク「しゅふJOB総研」所長の川上敬太郎氏は、そう指摘する。川上氏は1990年代後半の就職氷河期に大手人材派遣に入社し、長年、人材サービス畑に携わってきた。 「女性活躍が言われだしたのはここ数年。それまで女性は寿退社という風潮はどこかに残っており、男性は一家の大黒柱であらねばという意識は今より強かった。やりたいやりたくないとは無関係に、まずは営業で下積みして昇進していくというモデルを受け入れていた。それが今は『こうあるべき』や家父長制の意識にとらわれず、地元ニーズや好きな仕事がいいと言える雰囲気が出てきているのでしょう」 仕事と生活の比重をどう調整し、どう働くか。女性の話