愛知県の大村秀章知事に対するリコール(解職請求)運動を巡る署名偽造事件は、運動事務局長で元県議の田中孝博容疑者ら4人が、地方自治法違反容疑で逮捕される事態に発展した。 県選挙管理委員会に提出された署名約43万5千人分のうち8割超が無効とされた。容疑が事実とすれば、民主主義の根幹を揺るがす暴挙だ。 「民意の捏造(ねつぞう)」という前代未聞の不正を誰がどんな意図で、どのような指示系統で実行したのか。書き写しをさせたアルバイト代を含む資金の流れなど解明すべき疑問は多い。愛知県警は捜査を尽くし、全容を明らかにしてもらいたい。 昨年8月に始まった運動は、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が主導した。芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で展示された昭和天皇に関する作品などを問題視し、大村知事の対応を批判していた。河村たかし名古屋市長も街頭で署名を呼びかけるなど支援した。 選挙で選ばれた首長らを