はじめに マルチスレッドで動作するプログラムの設計は難しい問題です。個々のスレッドの動作は単純に見えても、複数が並行して動作する場合の動作は組み合わせ論的に複雑になります。また、タイミングに依存する不具合は狙って再現することが難しく、通常の単体テストによる検出にも限界があります。 そんなとき、有効な手法がモデル検査です。システムの取りうる状態をあらかじめ網羅的に探索することで、「実際に動作させた際にごく低い確率で踏むバグ」であっても、動作させることなく設計段階で発見することが可能になります。 ところでちょうど先日、デッドロック発見器を自作するハンズオンに参加する機会がありました。内容は非常にシンプルなモデル検査器を実装するというもので、せっかくなのでそのときの成果物を Go のパッケージとしてまとめたものを以下に公開しました。 github.com 以下、このパッケージで何ができるのかを具
![状態機械を合成してデッドロックを検出できる Go 言語パッケージを作ってみました - チェシャ猫の消滅定理](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f79e2aaad98b2fb81d7741cf50b083ab7ad8b14a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fy%2Fy_taka_23%2F20191105%2F20191105023052.png)