先生の乗ったタクシーが去った後も、私は考えていた。さくらももこさんの『もものかんづめ』『さるのこしかけ』『たいのおかしら』みたいにおかしみに満ちたエッセイ三部作を出すのが夢だけれど、三冊目はいつ出せるかなあ、と。相手を笑わせるためにわざと生み出した ”おもしろい” ではないエピソードは、年齢を重ねるにつれて明らかに溜まりづらくなっていた。 でも、と、私は気を引き締める。解決策としては、”真剣に生きる” しかないのだから、あまり余計なことは考えずにいよう。それがいい。というか、そうするしかない。私は少し軽くなった心と共に、家路に就いた。 天ぷら屋に、ドーナツクッションを忘れて。 (朝井リョウ『そして誰もゆとらなくなった』文春文庫、2025) こんにちは。昨日、かつての同僚と3人でお茶をしました。話題は自然と「そして誰もいなくなった」、もとい、「教員不足」に関することに。 同僚A「うちの学校の

