世界的なイノベーション推進とグローバル化により、現代は先行きを予測することがますます難しくなったと言われている。 そんな時代には「自ら課題を設定し解決する力(戦略を創る力)が必要」と謳われるものの、「具体的にどうすればいいかわからない」という人も多いのではないだろうか。
ブリ、マダイ、それにクロマグロ。日本で養殖による生産量が多い代表的な魚種です。食卓を彩るこれらの魚を生産する養殖業者は、魚の世界的な消費拡大に伴うある課題に直面しています。様々な試行錯誤が続く中、新たなテクノロジーを導入することで、課題を解決しようという動きもでています。(経済部 山田裕規記者) 1億1021トン 世界全体の2016年の養殖業生産量です。 1980年代から海で魚を採る漁業は横ばいなのに対して、水産物の消費量はもともと魚を好むアジア各国の経済成長と人口増加で伸びています。 この消費を賄っているのが、育てて獲る養殖で、生産量は36年前と比較すると15倍にまで増えているのです。 養殖需要の拡大は、日本にとって、輸出促進につながるといったメリットがありますが、一方でエサに使われる魚粉の値上がりを招いています。 エサの原料となる魚粉 魚粉の輸入価格は、2015年4月のピーク時には1ト
生産量減、消費量減のダブルパンチに見舞われている日本の水産業。それでも、水産分野にIoTなどの新技術を生かそうという動きが活発化している。特に力が入るのは、養殖と流通の生産性向上だ。 世界の漁業・養殖業生産量は既に2億トンを超え、年数パーセントの割合で成長している。魚の消費量は増加し続けており、1人当たりの食用水産物の消費量は、50年間で2倍以上に増加した。 一方、日本では、1984年度をピークに漁業・養殖業生産量は減少しており、2017年度は前年比1.3%減の440万4000トンとなった。水産物の輸入量も、2001年に過去最高の382万トンとなった後、国内消費の低下に伴い減少傾向が続いている。 日本の食卓に魚を取り戻す 日本の漁業の衰退は、1970年代後半に、各国が排他的経済水域を設定したため、遠洋漁業に制限がかかったことから始まっている。しかし当時は、魚や貝などの消費は盛んで、水産物の
年々世界人口が増え続ける一方、食糧の確保が課題となっています。特に天然水産資源は生態系を崩す恐れもあり、これ以上の漁獲を増やせません。 増加する魚介類消費量を賄うため、養殖業の事業安定化に向け、AIやIoTを活用する取り組みが進められています。 増える魚介類消費は右肩上がり、水産資源は頭打ち欧米でのヘルシー志向など、食生活の多様化や新興国での生活水準の向上により、全世界で魚介類消費量が増えています。 その一方で、全世界の海洋資源のおよそ90%は適正レベルの上限近く、または適正レベルを超えて漁獲されています。これ以上持続可能なレベルを超えた天然資源の漁獲が増えれば、世界の水産資源が枯渇し、生態系にも大きな影響を与えます。 天然資源の漁獲に頼らず、増加する魚介類消費量を賄うには、養殖業の事業安定化が必要となります。自然災害や気候変動といった環境リスクを常に伴う養殖業で、海洋環境の把握や分析にA
陸上養殖の普及のカギは循環水のろ過システム 閉鎖循環式の陸上養殖を実現するうえでのポイントは、水質をいかに保つかだ。水を循環させるだけだと魚の泄物に含まれるアンモニアが生け簀の中に溜まっていき、その毒性によって魚が死滅してしまう。このため、アンモニアなどの不純物を除去し、水をきれいに保つことが重要になる。 FRDジャパンの閉鎖循環式陸上養殖システムでは、工業用水処理プラントのエンジニアリングを行う大洋水研と、水処理に関する水分析や微生物管理を行う環境技術センターが共同開発した特許技術を活用(図2)。バクテリア(好気バクテリア)を付着させたバイオフィルムを使ってアンモニアを毒性が低い硝酸に変え(硝化)、次に別のバクテリア(嫌気バクテリア)を使った装置で硝酸を窒素ガスに変えて放出する(脱窒)。アンモニアや硝酸以外の有機物に関しても、海水を電気分解して発生した塩素ガスで分解するようにした。こうし
「エシカルフード」に新しい流れが起きようとしている。「エシカル」とは、「倫理的」「道徳的」という意味。エシカルフードといえば、途上国で生産されるコーヒー豆を公正(フェア)な貿易によって調達、提供する「フェアトレードコーヒー」などを想起する人が多いだろう。そうしたなか、2017年9月に創業した「dot science(ドット・サイエンス)」は、農業や漁業の現場で、大きさや見た目によって規格外とされ、廃棄されてしまう「フードロス」の問題に真正面から挑んでいる。本来は捨てられるはずだった食材を使い、さまざまなエシカルフードを開発、市場に送り出している。 日本のみならず世界各国から集まった食材が所狭しと並ぶ伊勢丹新宿本店の地下食料品売り場。今年の3月7日から20日まで、生鮮食品を扱う一角に異色の商品が並んだ。商品ラベルに大きく書かれた文字は「ETHICAL SEAFOOD CHALLENGE(エシ
インフィック:センサーを活用した高齢者見守りシステム 介護サービスならびに介護用品の開発・提供を行っている企業。センサーを活用した高齢者見守りシステム「LASHIC(ラシク)」を展開する。 LASHICでは、テレビ台やタンスの上に設置したセンサーで部屋の室温や湿度、照度を測定する。また、ベッドに設置したセンサーで被介護者の睡眠時の呼吸や脈拍、姿勢を測定し、被介護者に異常がないかどうかリアルタイムでモニタリングする。もし異常があれば介護者のスマホに通知が届くようになっている。介護者の労力を軽減しながら、きめ細かなモニタリングを可能にする。 https://www.infic.net/ ウンログ:「うんち記録アプリ」でお腹の状態を健康に 大便を記録するアプリ「ウンログ」を開発・提供している企業。ユーザーは大便の状態(形状・色・大きさ・匂い)をチェックしてウンログに記録する。お腹の状態が診断され
海を漂うプラスチックごみが、世界的な環境問題として注目されている。その解決策の一つとして脚光を浴びているのが、自然界で分解する新素材だ。高機能素材に強みを持つ日本にとって、新たなビジネスチャンスになると期待できる。 (日経ビジネス2018年10月15日号より転載)
NECグループで18年 女性枠で昇進?葛藤越え38歳で米国赴任 NEW キャリア 2024.10.16
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く