10月9日、宮内庁ホームページで「香淳皇后実録」(以下「実録」と略す)が公開された。1903(明治36)年に皇族の久邇宮良子(くにのみやながこ)女王として生まれ、24(大正13)年に皇太子裕仁(後の昭和天皇)と結婚して皇太子妃に、26年に大正天皇の死去に伴い皇后に、89年に昭和天皇の死去に伴い皇太后になり、2000(平成12)年に亡くなるまでの97年3カ月に及ぶ生涯が、編年体で編纂されたものだ。 全体を通して見ると、「実録」の最大の読みどころは戦中期にある。とりわけ昭和天皇が「大東亜戦争終結に関する詔書」(以下「終戦の詔書」と略す)を朗読した玉音放送が流れた前日の45(昭和20)年8月14日条は驚くべきもので、これまで知られていなかった昭和史や終戦史の一端が明かされたと言える。 『香淳皇后実録』 Ⓒ時事通信社 この日は日本の運命を決める1日となった。『昭和天皇実録』第九(東京書籍、2016

