戦争博物館について語る古市憲寿=東京都中央区、松本敏之撮影真珠湾にある「アリゾナ・メモリアル」で表現されたあの戦争は、「日本人の自分が知っているものとはまったく違った」という=古市さん撮影 【高久潤】もうすぐ敗戦から68年を迎える。戦争の正しい「記憶」を巡っては、今なお議論が喧(かまびす)しい。そんななか、社会学者の古市憲寿(のりとし)さん(28)は「知ったかぶりして、戦争を語るのはやめませんか?」と問いかける。この3年間で国内外50超の戦争博物館を訪れ、実感したのは戦争を知らないことの希望――。それって何ですか? ■国の意志透ける 2010年から韓国・天安の独立記念館、中国の南京大虐殺記念館、国内では広島平和記念資料館など、世界各国の戦争博物館を取材してきた。きっかけは、観光で訪れたハワイで「暇だから」足を運んだ「アリゾナ・メモリアル(アリゾナ記念館)」だ。 「犠牲者を弔い、あの戦