「1本3000円」のシャープペンをヒット商品にした、“近寄りがたさ”:自動で芯が出てくる(3/4 ページ) 1回のノックで「走れメロス」を書き切る 技術者たちの姿や言葉から感じ取った「技術のすごさ」と「思い入れ」を伝えるために、どうすればいいか。まず考えたのは、「技術がどれだけすごいのか、可視化して示すこと」だった。実際に使ったときに、どのくらい書けるのか。本当にノックしなくていいのか。それを一目で実感してもらうために使ったのが「小説」だ。 そのお披露目の場となった業界関係者向けの展示会。ブースでは、28点もの部品を一つずつ展示し、「自動芯出し機構」などの技術を紹介。そして、展示の最後に貼り出したのが、手書きで全文を写した小説『走れメロス』だった。 これは、オレンズネロ(0.3ミリ)を1回だけノックして、どれだけ文字を書けるか実験したものだ。飯塚さんが約1万字、途中でノックすることなく書き