立憲民主党(旧)と国民民主党、無所属議員らが合流して結党する新党の党名が「立憲民主党」(新)と決まり、初代代表に枝野幸男氏が選ばれた。党名も党首も維持されたということは、素直に考えれば「3年前に結党した立憲民主党(旧)の旗のもとに多くの野党議員が結集し、野党第1党として『政権の選択肢』たり得る規模に成長した」と意義づけてもいいだろう(枝野氏を含む当事者は全員が異を唱えるだろうが)。 「結局は旧民主党の再結集」という冷ややかな声も聞こえる。本当にそうだろうか。結集した顔ぶれだけに気を取られると、今回の合流の本質を見失うのではないか。(ジャーナリスト=尾中香尚里) ▽対案提示から対立軸提示へ 今回の新立憲民主党結党は、これまで長く続いた従来の野党像を大きく転換させる可能性がある。簡単に言えば「提案型政党」から「政権との対立軸を示す政党」への変容である。与野党対立の構図が「同じ方向性を持つ二大政