兵庫県丹波市山南町の前川製箸所は、割り箸(ばし)作りから護摩木(火焚串)作りに転業して15年ほどになる。木を機械で削るというローテク分野ながらも地道な技術や営業などで1日3万本を製作。受注量を年々伸ばしている。 当初は門前払いも逆転の発想で営業 創業は1947年。割り箸の材料は、当初、国内産のマツだったが、1970年ごろからより白色で品質が良いソ連産のエゾマツを使うようになった。最盛期には従業員40―50人を抱え、カナダにも工場を持った。同町内にも何軒か同様の工場があったという。 徐々に中国産の安い割り箸が市場を占有、国内産の割り箸業界も先細りに。同社も徐々に受注量が減り経営難に陥った。 2000年ごろ、ある寺から護摩焚きに使うため、製品にならなかった割り箸を譲ってほしいとの訪問を受けた。その時、見せてもらった護摩木をヒントに4人で生産を始めた。 寺社に営業したがまったく取り合ってくれなか