◇国民の意思どう示すか 東京電力福島第1原発事故以来、世論は「脱原発」に動いた。歴代総理で初めて「脱・原発依存」に踏み込んだ菅直人首相は退陣する。「それでも、事故の深刻さを直視すれば、大きな流れは変わらないと思う。後は署名などで国民の意思をどう数字に示していくかだ」。「京都反原発めだかの学校」メンバーで有機農家の佐伯昌和さん(56)=京都市上京区=は気を引き締める。 × × 福井県をはじめ各地で原発が新設され、稼働を始めた70年代。反原発運動も全国的に高まりを見せ、波は京都にも及んだ。 75年、京都大で市民による第1回反原発全国集会が開催された。78年10月26日には反「原子力の日」の集会も京都大で開かれた。当時、島根大を卒業したばかりの佐伯さんも集会に参加。触発されて同年11月、「めだかの学校」を発足させた。原発問題を専門に取り組む府内初の市民グループだった。 79年3月の米スリーマイ