TPP交渉参加を前に、作業室の立ち上げ式であいさつする鶴岡公二首席交渉官(中央)=23日午前、マレーシア・コタキナバル(会田聡撮影)(写真:フジサンケイビジネスアイ) 日本が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に加わったのは、世界で加速する「メガFTA(巨大自由貿易協定)」と呼ばれる広域の自由貿易圏作りに乗り遅れないためだ。日本はTPP交渉への参加で通商戦略の転換点を迎えた。国益を守るとともに、高い機密性を求められる交渉を進める中で、国民の理解を得ていくための情報開示の在り方が課題になる。 「日本にとって、もっとも重要な交渉だといっても過言ではない」 鶴岡公二首席交渉官は23日の結団式でこう強調した。 日本は13の経済連携協定(EPA)を結んでいるが、経済規模が小さい新興国が多く、貿易総額に占めるFTA相手国の比率は19%。米国や欧州連合(EU)とFTAを結ぶ韓国の35%に後れを