鋭い戦略眼で国際関係を論じてきた正論大賞受賞者の外交評論家、岡崎久彦(おかざき・ひさひこ)氏が26日、東京都内の病院で死去した。84歳だった。葬儀、告別式は近親者で済ませ、後日、偲ぶ会を開く。喪主は妻、昭子(あきこ)さん。連絡先は東京都千代田区永田町2の9の8の505、岡崎研究所。 中国・大連生まれ。東大在学中に外交官試験に合格し、昭和27年に外務省に入省した。情報調査局長、駐タイ大使などを歴任した。現役時から、有数の論客として、透徹した情報分析に基づいた「岡崎理論」を展開し、退官後に一気に花開いた。 対米関係の重要さを一貫して訴えた。冷戦終結後、日米安保条約の見直し論が散見したとき、日英同盟廃棄(大正11年)によって日本が軍国主義の道を歩んでいった当時の状況を敷(ふ)衍(えん)して強く警告した。 日本の首相の靖国神社参拝には賛成しながらも、併設されている遊就館から反米展示の撤去を求め、靖