7月6日に執行されたオウム真理教の元教祖・麻原彰晃(本名、松本智津夫)らの死刑は、中国でも大きく報じられた。かつて、地下鉄サリン事件が世界に与えたインパクトは強烈だ。 現代の中国の地下鉄では手荷物のX線検査が義務付けられ、ペットボトルの液体を目の前で飲まないと検査を通してくれないことすらあるが、こうした過剰警備の一因にもオウムの都市型テロの歴史が影を落としていると思われる。 ところで、往年のオウムは世界の多くの国家と関係があった。なかでも有名なのはロシアとの縁だ。オウムはソ連崩壊翌年の1992年9月にモスクワ支部を開設し、同国内で万単位の信者を獲得したほか、自動小銃や軍用ヘリを購入していた。ほか、村井秀夫幹部刺殺事件など複数の事件では北朝鮮との関係も噂されている(もっとも、オウムの対北関係はいまや多くが藪の中だ)。 いっぽう、同じ共産圏の隣国にもかかわらずスルーされがちなのが中国だ。今回の