TSMCは日本に来ない。 2021年6月1日、衆議院の科学技術特別委員会に半導体の専門家として参考人招致された筆者は、意見陳述の中で、こう断言した(参考:衆議院 2021年06月01日 科学技術特別委員会)。その根拠は、TSMCの地域別売上高に占める日本の割合がわずか4%しかないからだ(図1)。 TSMCは、Apple、AMD、Qualcommなどビッグカスタマーが多数存在し、合計の売上高比率が60~70%を占める米国の誘致に対してさえ、建設費やインフラ代が高いと言って難色を示していたほどだ。そのコスト高の事情は米国とさして変わらず、ビジネス規模がたった4%しかない日本に、TSMCが工場をつくる合理的理由は存在しない。だから筆者は、冒頭のように断言したわけだ。 ところが、2021年10月14日のTSMCの決算発表会で、日本に新工場を建設すると発表したことが報道された(日経新聞、10月15日
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