福井大の教授が自分の論文の査読者(ピアレビュー)に千葉大の教授を推薦し、自分で審査結果を書いて千葉大教授に送り、千葉大教授がそれをコピペして自分で審査したことにした、という不正があった。 この件について毎日新聞が詳しい論説記事を書いている。 毎日新聞は科学に関して非常に深い記事をしばしば書いており、この論説も非常に詳しく、正確で客観的な内容である。 毎日新聞の論調は、福井大・千葉大の教授らの不正はあり得ないし、言語道断であるというものである。私も基本的には僕も同意見だ。しかし、現場の人間としては、査読制度の闇はこの問題よりもはるかに深いと感じている。 具体的な体験を話すと、僕がある論文を投稿する際には通常、5名の研究者を査読者の候補として推薦する。どの人も僕の研究内容を良く理解してくれている人だが、同時に、当然ながら僕に対して批判的は選んでいない。というかむしろ、どちらかというと、というか