言語と貧困 負の連鎖の中で生きる世界の言語的マイノリティ 著者:松原 好次 出版社:明石書店 ジャンル:社会・時事・政治・行政 言語と貧困 負の連鎖の中で生きる世界の言語的マイノリティ [編著]松原好次・山本忠行 少数派言語の話者は、貧困に陥りやすい。「たかが言葉で?」と思うなら、それは我々が比較的一枚岩の言語環境に恵まれているからだと、本書を読むと思い知らされる。 19世紀、先住民の子を寄宿校に隔離し英語を強要したカナダや、母語を話した生徒に「罰札」をかけたウェールズの事例は、いずれも文化の喪失と貧困に帰結した。近年でも西アフリカでの西欧言語偏重が識字率など生活の向上を妨げたと報告される。シンガポールのような豊かな国ですら、英語での教育を是としつつ「落ちこぼれ」による社会格差が問題になっている。かといって単純な母語回帰が必ず奏功するわけでもない。 グローバル化が進む世界で、実は我々の言語
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