三浦一族の特に惣家を中心にその所領を調べてみました。三浦惣家の所領は日本列島の北は糠部郡(青森県から岩手県にまたがる一戸から九戸にいたる地域)から南は肥前(大よそ佐賀県と長崎県の辺り)に至る広大な範囲に分布しています。 そしてこれら所領の特性を探っていくと、彼らが海上交通における要衝を押さえ北条氏に先がけて宋との関係を構築していたことがうかがえます。ということで今回は三浦惣家の所領の中でも海上交易・交通に関するテーマでまとめてみました。 三浦義村 三浦氏惣家の全盛を築いた義村は承久元年(1219)駿河守に任じらました。この駿河守は鎌倉時代を通して義村以外に任官したのは全て北条氏一門のみという特別なポストでした。またこの国守任官によって義村はこれまでの侍身分から諸大夫相当(貴族階級)の身分へと出世しています。相模・土佐の守護であった義村は、承久の乱(1221年)の後、河内・紀伊の守護に、さら