法政大学文学部日本文学科では、卒業論文(400字詰原稿用紙50枚以上。20000字相当)を、卒業の必須要件として課している。 卒業論文は、これまでに培った知識・思考力・文章力・調査力などをすべて傾けて作成される、学業の結晶である。 以下、「論文とはどのようものなのか?」「論文を書くにはどのような準備をしたらよいのか?」という基本事項を説明してゆく。 1(A)論文とは何か? 【1】 問題設定 ……自分で「問い」を設定する。 【2】 根拠・具体例・論証 ……その「問い」に答えるための証拠や例を挙げ、分析し説明する。 【3】 結論 ……最初に立てた「問い」に答え、結論を述べる。 或る作品・或る作家・或る言葉・或る資料を対象として論文を書く、というとき、調べたことや考えたことをすべて詰め込んで20000字を満たしても、それは論文とは言えない。 調べたり考えたりしたことを元に、【1】自分なりの「問い