7月の第3月曜日に定められている国民の祝日「海の日」を、制定当初の「7月20日」に戻そうという動きが強まっている。 「『海の恩恵に感謝』という本来の趣旨が忘れられている」との理由だが、3連休が取り崩される危機に、観光業界は猛反対だ。海の日の行方は、どうなるのか――。 ◆悲願の祝日 「海の日は『3連休の最後にゆっくりする日』になってしまった。海洋国家として、海に感謝する本来の形に戻したい」。300人以上の超党派国会議員や海運業界などでつくる「海事振興連盟」の植村保雄事務局長は力を込める。 7月20日は、明治天皇が1876年に東北・北海道巡幸を終え、船で横浜港に到着した日。海事関係者らが1959年に提唱し、96年に実現した悲願の祝日だった。