東京財団政策研究所主席研究員・柯 隆 ロシアが旧ソ連の対ドイツ戦勝75周年を記念してモスクワの「赤の広場」で開催した軍事パレードに参加した中国の軍隊=2020年6月24日【EPA時事】 中国の一般の庶民は、ウクライナのことをあまり知らない。逆にロシアは身近な存在である。 中国の公式メディアやインターネットのSNSでは、ウクライナが米国を中心とする先進国の手先となって、ロシアを追い詰めているから、ロシアは反撃しているといわれている。民衆の間では「ロシア、頑張れ」の声が上がっている。 これに対して、知識人の間で事情をよく知っている人は少なくない。言論統制されているため、声を上げることができないが、心の中でウクライナを応援する人は多い。 中には、プーチンのロシアと手を切るべきだと主張する政府系シンクタンクの研究者も現れている。 ◆軍事技術の源泉はロシア ウクライナ危機を見た中国政府は、大きなショ