私の祖母は105歳で生涯を終えました。 大正生まれの祖母はいわゆる「おばあちゃん」と言うイメージとはやや遠く、どちらかと言えば女帝でした。 一般的に「孫を可愛がる」と言う点ではイメージ通りですが、見栄とプライドと世間体が優先されたため、その点では私も結構振り回されました。 介護は経験しないと分からない 様々な事情が重なり、私たち一家が実家に入りました。 当時、祖母は90歳も半ばとなっていました。 日中はデイサービスに通い、自分の事は概ね自分で出来てはいましたが、それでも老人介護はそれなりの大変さがありました。 老人は幼児と違います。 こちらが全てを提供すればその通りに物事が行くかと言うと、そうではありません。 本人が思うように行かない体を、こちらが無理に動かすわけにはいきません。 いままで生きてきた自尊心を蔑ろにするわけにもいきません。 体は硬く、力が弱く、重力にはそれなりに引っ張られてい