自著からリニアモーターの図や表が盗用され、著作権を侵害されたとして信州大の山田一・名誉教授が、同大の山沢清人学長を相手取り、学長の著書から図の削除や、同大ホームページに謝罪文の掲載を求めた訴訟で、山沢学長は1日「引用は違法行為にあたらない」との見解を発表した。 訴状によると、原告側は山沢学長が同大工学部助教授時代の89年、リニアモーターについて記述した1章の中で、山田名誉教授が既に発表した「リニアモータ応用ハンドブック」などに記載された構造図などを盗用としたと主張している。 山沢学長は見解で「本は初歩的入門書で図表などは簡略化している」とした上で、引用は「編集方針で参照文献にとどめたが、出典は明示している」と主張。著作権法違反にはあたらず、引用は当時「両者で了解が成り立った」としている。【小田中大】