国立国会図書館では明治から1940年代までに刊行された蔵書を『近代デジタルライブラリー』で公開していますが、その中には大規模な公開調査を行ったにも関わらず著者が亡くなった年がわからないために著作権法第67条の裁定制度を利用して5年おきに補償金を支払っている作品が大半で、明治期に刊行された出版物の場合は70%強がこれに該当すると言うデータが同館により公表されています。こうした権利状態が不明の著作物は欧米では「Orphan works」(孤児作品)と呼ばれ、ここ数年で重大な社会問題として認識されるようになってきました。 意外に多い音楽の「権利状態不明」 書籍や写真などに比べると音楽の分野においては日本音楽著作権協会(JASRAC)を始めとする管理団体が存在しているため権利の状態が不明な作品はほとんど発生していないというイメージが一般的ですが、JASRACが提供している作品データベースを利用して