シリーズ「等身大のアフリカ/最前線のアフリカ」では、マスメディアが伝えてこなかったアフリカ、とくに等身大の日常生活や最前線の現地情報を気鋭の研究者、 熟練のフィールドワーカーがお伝えします。今月は「最前線のアフリカ」です。 2016年8月31日、アフリカ中部のガボン共和国の首都リーブルヴィルが、大きな混乱に包まれた。この日の午後に、8月27日におこなわれた大統領選挙の公式結果が発表され、現職の再選が報じられたのだが、その結果を不服とする対立候補の支持者らのデモがエスカレートし、政府関係施設や店舗などが襲撃されたり、議会に火が放たれたりするなどの暴動に発展したのである。 デモの群衆が鎮圧のために出動した警察と治安部隊が衝突し、死者数十人、負傷者数百人、逮捕者1000人以上を出す事態に至った。このような事態を引き起こした選挙結果は、いったいどのようなものだったのか。そして、その背景にはどのよう