今、千葉大学教育学部附属幼稚園で大人気の絵本があります。その本のタイトルは「このあな なんじゃ」。こども家庭庁「児童福祉文化財作品」の令和5年度推薦作品にも選定されたというこの絵本、実は現役の研究者が手がけたものなのです。 著者は化石や地層などを主な研究対象として、生命の進化や地球環境の歴史を明らかにすることを目指す「古生物学」を専門とする千葉大学教育学部の泉賢太郎准教授。なぜ大学の准教授が絵本を手掛けることになったのか? そこには、この分野ならではの課題もあったようです。「もっと子どもたちに、古生物学に触れてもらうきっかけを作りたい」。そう語る泉先生に、今回は絵本づくりのプロセスや、教育活動にかける思いについても伺いました。 教育学部の前にて 「古生物が残した『穴』」をテーマとした仕掛け絵本 ――「このあな なんじゃ」シリーズ。タイトルも興味深いですね。まずはこの絵本を書かれることになっ