公式にはまだ何も発表されていないが、今、日中外交当局者の間で、李克強首相の日本訪問の準備が着々と進められている。 2013年3月に発足した中国の現政権のトップ習近平出席、ナンバー2李克強首相ともに、いまだ来日していない。早ければこの5月中にも李克強首相の訪日が実現する見通しであり、そうなればこの4年余りすっかり冷え込んでいた日中関係が、一気に視界良好になってくる。 李克強首相が担う大役 しかしなぜ、この時期に突然訪日するのか? それは、俗な言い方をすれば、「得点稼ぎ」のためである。 李克強首相がいま置かれている立場を、改めて整理してみよう。 2013年3月に首相に就任した李氏は、来年3月に5年の任期を迎える。法規上は1回限りの再選が認められているから、もう一期、すなわち2023年3月までは首相の座にいられる。 ところが、上司である習近平主席は、李克強首相のことが気に食わない(これについては