これまでの筆者の記事(「中国の『三戦』に立ち向かう方法」「中国が開発する超音速ミサイルの脅威」など)では、主に中国を中心に抑止と防衛の問題を論じてきた。しかし、ここで視点を変えて、米国の動向を見てみよう。米国では現在、将来にわたって米国の軍事的な優位を保つための革新的な戦略が登場しつつあるのだ。 それが、米国防総省が2014年11月中頃に公表した「防衛革新イニシアチブ」(DII:Defense Innovation Initiative)である。 このタイトルだけでは何のことだか分からないが、その中で特に注目すべきは、米国で今回3度目の採用とされている、「第3の相殺戦略」(third offset strategy)と呼ばれる要素である。 この「第3の相殺戦略」は現在、米国の安保専門家の間で、米国が21世紀においても軍事的な優位性を維持するための取り組みとして非常に注目されている。この米国