大阪大学の大竹文雄氏と小原美紀氏が、2005年とだいぶ前になのだが、「消費税は本当に逆進的か」と言う記事を出している。 消費税が逆進的になる理由は、高所得者は低所得者よりも消費性向が低いと言う明白な傾向から言えるものだで、それに疑義を投げかけており興味深い。しかし、奇妙な話になっている。 1. 生涯消費性向で考えると、消費税に逆進性は無い? 大竹氏と小原氏は、現役中における両者の消費性向の差を認めつつも、引退後の年金生活における消費も加味して考えるべきだと主張している。つまり、ライフサイクル仮説によると、老後においては貯蓄を切り崩して消費を行うので、高所得者と低所得者の生涯消費性向の差は、現役時代の消費性向の差ほど大きく無いそうだ。高所得者と低所得者が貯蓄を使い切って死ぬなら、消費税負担率は生涯所得に関係なく一定になる。大竹氏・小原氏の試算では、むしろ累進課税になっている。 2. 金持ちと